お話のお相手は くも膜下出血になられ施設で暮らし 車いすに座っていらっしゃる
85歳の女性でした
机の上には黒い2羽の折り鶴がありました
お天気の日は黒か白を折り お天気が悪い日は明るい色を折ること
今までに35,000羽折り、貯まるとご子息(60)が神社に奉納されること
そして2羽の鶴を両頬に当てられ 満面の笑みを浮かべて
「私、お鶴様 とお話するの!」と言われ 毎朝家族の健康と無事をお願いし 夜は
「今日も1日見守って下さりありがとうございました」と感謝の気持ちを伝えるそうです
何歳になっても家族を思いやられるその気持ちと 感謝の念を忘れない行為に
熱いものが込み上げてきました
「私は願い事をするので お鶴様 と呼ばないといけないの」とも言われました
家に帰って早速 黒い鶴を折ってみました
何か重厚な鶴に思えます
婚家の舅さんが厳しい方で 夜になるといつも布団の中で泣いたこと
いつも夫ではなく姑さんが慰めて下さったとのこと
「霊柩車に乗せるまで舅さんに仕えました」と言われる言葉からご苦労が窺い知れます
今の若い人達は親と同居しなくなった事などもお話されました
息子さんが来て下さるといつも背中を擦って下さるそうです
「私は日本一幸せです」とおっしゃたので
”世界一幸せですね”と伝えると「そう世界一幸せ!」と素敵な笑顔を見せて下さいました
ご苦労され歩んで来られた足跡を ご子息は見て下さっていられるのでしょう
私は傾聴などと言う、おこがましい行為ではなく 人生の先輩の生き方に感銘し
これからの自分の生き方のヒントを教えて頂けた気がして 敬意を払って帰りました
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